2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧
屋上の給水塔からグッドラック これから出会うすべての人へ(成瀬悠太)
その穴に落っこちてしまう小ささで生きてますでもまた這い上がる(成瀬悠太)
手の甲を額に当てて左手を空にかざせば宇宙のポーズ
友人が3人結婚した夏です 残暑お見舞い申し上げます
阿には吽 罪には罰を 恋人に振られたぼくに燃える夕日を
連作「ロックンロール」 成瀬悠太 なんとなく奇跡がおこる気がしてて春の川辺で道草をくう真夜中を独り占めした今ならば書ける言葉もあるはずなのにセックスやドラッグなんか知らなくて方程式をスムーズに解く身体中心臓みたいにシンボルのない恋です いまは…
掃除機は壁の向こうで生活を慈しむような音を鳴らして
ゆたゆたと回る空から降りてくるような奇跡を待ってさよなら
終わり行く今日という日の弔いに町は灯りを灯していった
どの駅の電光掲示板も壊れ天国地獄を表示している
窓辺から見えない星に願いつつそっとアポロを口にはこんだ(成瀬悠太)
遅咲きの桜の花が散り逝くをふたり眺むるような青春
娘らはカカオの菓子を携えて 恋を信ずる聖者の行進(成瀬悠太)
あっている(小さい小さい詩を書く)公式通りに出した答えは
黒猫と肩を並べて歩き出す なんだろ たぶんグッドモーニン(成瀬悠太)
廃ビルの壁に書かれた説教は「らくがきするな」というらくがきで
銀紙をそっと剥がした板チョコの歯形がとても美しい夜(成瀬悠太)
初恋の相手は掃除のあいだ中ほうきでギターを弾く奴でした(成瀬悠太)
砂浜に書いた手紙はひとりごと 水平線に揺れる船影
ジャン=ポール・エヴァンのチョコに込められた気持ちをどういうふうに量ろう(成瀬悠太)
震源はどこだろなんてばかみたい 大事な人は近くにいない
ミステリーとはかけ離れてる日常で恋するように生きていたいの
ウミガメの水槽の前 謝謝と感謝を述べるクラスメイトは
虚無であることを謳えばなおさらに虚無となりゆく日本バンザイ(成瀬悠太)
三段のホットケーキに蜂蜜を垂らす瞬間 笑みがこぼれる
でたらめな愛が世界を救う夜 救われている星に寝そべる
空耳は(洗われているコンバース)いまここだけが世界のすべて
南口方面改札口を出る 幻のメロンパンを探して
オゾン層あたりの空で語られる「まず吉牛で牛丼食いてぇ」
準備ならもうできていてあとはただ大声で泣きわたしは生きる