010:蝶(考え中)

疾く疾くと気持ちが急いて靴ひもの蝶々結びがうまくできない

待ち合わせ五分遅れてしましまの蝶ネクタイできみに告白

蝶々の帯留め外す 夕闇の夏の空気は声にならない

サナギから蝶に移ろう心地して麻のジャケット銀杏に着せた

群青と紅色で蝶を描くあかむらさきの恋に焦がれて


「蝶々結び」「蝶ネクタイ」「蝶のアクセサリー」「サナギ→蝶」で一首ずつ。本物の蝶がひとつもないという…。最後の歌はスガシカオの「サナギ」や「19才」みたいな毒々しくて幻想的なイメージで詠んでみた。